シニアは特に下記のような困りごとを抱えがちです。
困りごとを予防し、困りごとの対処に参考となるサイトの紹介を交えながら対策を探ります。
孤独感・社会的孤立
– 友人や家族とのつながりが減少
– コミュニティとの関わりが薄れること
令和6年4月1日「孤独・孤立対策推進法」が施行されました。
法律を作らなければならないほど、孤独・孤立が社会問題化しています。「孤独」「孤立」に慣れてしまうのではなく、「つながり」「関わり」を増やすことを自ら考えて行動することが第一です。
経済的な不安
– 定年後の年金や貯金の不足
– 生活費の管理
– 増え続ける医療費
65歳から69歳までのシニアの50%以上が働いているという統計があります。今後の生活費に不安のあるシニアは、働いて収入を得ることで不安が和らぎます。無理のない仕事を続けることは、健康の維持につながります。健康の維持は医療費の削減につながります。
住宅の問題
– 階段やバリアフリー対応
– 自宅での生活の安全性(転倒防止など)
転倒が原因で活動量が減少し、寝たきり生活になってしまったという話はよくあります。手すりの設置や段差の解消などは、優先順位の高い対策です。
交通機関の利用
– 自動車の運転の不安
– 地域公共交通機関がない
年を取るにつれて反射神経、判断能力、視力が低下することは避けられません。そのことを常に意識して、より慎重な運転を心がけることが大切です。
デマンドタクシー、拠点循環バス、ショッピングセンターとバス事業者との連携など、全国で地域公共交通の取り組みが行われています。
各地域に合った交通手段が確立されることを期待し、普段からこのことに関心をもっていることが大切です。
デジタルデバイド
– インターネットやスマホの使い方に対する不安
– オンラインショッピングや銀行サービスの利用に苦手意識
– デジタル機器の設定やトラブルシューティングの難しさ
デジタル機器を安心して便利に使うためには、注意事項と正しい使い方を理解する必要があります。
総務省のホームページの中の「トラブル対策ブック」は大変参考になります。https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/senior/
介護の問題
– 自分自身や家族の介護の負担
– 介護サービスの利用方法や選び方
– 介護施設や訪問介護の情報不足
家族の負担が気になり出したときは、介護保険制度の利用を検討する時期です。お住まいの地域の地域包括支援センターや市区町村の福祉担当課に相談することが第一歩です。
他人の世話になることをためらう高齢者の気持ちも理解できますが、家族の負担の軽減も考えなければならないことです。
食事と栄養
– 一人暮らしのため食事が偏る
– 食欲の減退や食べることへの興味喪失
– 自炊する体力がない
自炊、外食、宅配サービス、お持ち帰り弁当、冷凍食品など、食事の方法はたくさんあります。手軽にできるレシピ動画がネットでたくさん紹介されています。
国立研究開発法人 国立長寿医療研究センターの「健康長寿教室テキスト第2版」(PDFファイル)が参考になります。
睡眠の質の低下
– 不眠症や夜間の目覚めが多くなる
– 睡眠薬への依存
– 快適な寝具や寝室環境の確保
「厚生労働省e-ヘルスネット」の中の「高齢者の睡眠」が参考になります。専門家の解説です。
高齢者の睡眠 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
筋力や体力の低下
– 歩くのがつらくなる、立ち上がるのが困難になる
– 転倒や骨折のリスクが増加
– 筋力や体力を維持するための運動方法
こちらも「厚生労働省e-ヘルスネット」が参考になります。
高齢者の運動(スロートレーニングやストレッチングなど)の注意点をよく理解することで安全な運動ができます。
運動の考え方と進め方 | Exercises | e-ヘルスネット(厚生労働省)
精神的な問題
– ストレスや不安、抑うつ
– 自分に適したメンタルヘルスのサポートが見つからない
– 心のケアを受ける方法の理解
国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター」の「心の情報サイト」で、シニアが気を付けなければならない認知症、うつ病、不眠症などについて知ることができます。ストレスのセルフケアの方法なども掲載されており、リンクからさまざまな情報を得ることができます。
医療サービスの利用
– 診察や通院のための時間や手間
– 医療機関の選び方や信頼できる医師の見つけ方
– 高齢者特有の病気や症状についての理解不足
シニアが気を付けなければならない病気については、「健康長寿ネット」の中の「高齢者の病気」のページが参考になります。病気ごとに分かりやすい説明が掲載されています。
法的・行政手続き
– 相続や遺言に関する法律の理解不足
法テラス、市区町村の相談窓口(市民課など)に相談
– 年金や福祉サービスの申請方法
地域包括支援センター、市区町村担当課(福祉課など)に相談
– 労働・雇用契約に関する問題
お近くのハローワークに相談するか「ハローワークインターネットサービス」を利用
趣味・レジャー活動
– 趣味を持つことができない、楽しめない
– 高齢者向けの趣味や活動の場所を見つけられない
– 退職後の時間の使い方がわからない
「朝日新聞 Reライフ.ネット」のサイトが参考になります。
無料で会員登録することができます。
「生きがい」を見つけるヒントがあるかもしれません。
ペットの飼育
– ペットを飼うことが身体的に負担になる
– ペットの世話ができない、または途中で手放さなければならない
– ペットと過ごす時間が健康に良い影響を与える場合も
可愛いペットとの別れは辛いものですが、必ずその時はやってきます。
最後まで可愛がって看取りをしてあげるのが本望でも、飼い主の事情でそれができなくなることもあります。どうしても世話ができなくなった場合、その子の幸せのためであれば、「里親」を探すことが必要になるかもしれません。
テクノロジーの進化についていけない
– スマートフォンやアプリの更新、使い方の変化に困る
– パソコンやスマホのセキュリティ設定
– SNSやオンラインサービスの利用に対する抵抗感
この問題に直結するものではありませんが、総務省の「デジタル活用支援」が参考になります。スマホ講座の動画が主です。
まとめ
これらの困りごとはシニア層にとって非常に重要な問題です。これらの困りごとは複雑に絡み合っており、一つの問題が他の問題を引き起こすこともあります。すべての問題を解決することは不可能です。身近な問題から解決策を見つけることで、他の問題の解決につながるかもしれません。